【登辞林】(登記関連用語集)


[け]

原告 民事訴訟・行政事件訴訟において、訴えを提起し、請求する側の当事者。第一審でのみ用いられる。(→被告

原戸籍(→改製原戸籍

現戸籍 現在の戸籍。

減殺(げんさい) 減らすこと。相続に際して、被相続人の生前又は遺言による財産の処分行為が相続人の遺留分を侵害していた場合に、その遺留分を有する者(遺留分権利者)及びその承継人が、その遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び一定の範囲の生前贈与の効力を否定すること。減殺の順序は、先に遺贈に対して行い、後の贈与から順次前の贈与に対して行う。 

現在事項証明書 商業・法人登記の登記事項証明書のうち、現に効力を有する登記事項、会社(法人)成立の年月日、役員等の就任の年月日並びに商号(名称)及び本店(主たる事務所)の登記の変更に係る事項で、現に効力を有するものの直前のものを証明したもの。(→履歴事項証明書

検索の抗弁権 保証人が、まず主たる債務者へ催告せよと請求(催告の抗弁権)したことにより、債権者が主たる債務者に催告した後でも、保証人が、主たる債務者に弁済をする視力があり、かつ、執行が容易であることを証明した場合に、まず主たる債務者の財産に対し執行すべき旨を請求することができる権利(民法453条)。連帯保証人は、この権利を有しない(民法第454条)。

検察官 刑事事件について、捜査権、公訴権などの権限を有し、又、公益の代表者として他の法令に定める権限(民法7条、25条、744条、817条の10、834条、846条、952条、他)を有する行政官(検察庁法(昭和22年4月16日法律第61号)4条)。検察官には、検事総長、次長検事、検事長、検事、副検事がある(検察庁法3条)。他の行政官庁の職員とは異なり、検察官の各個人それぞれが独立に検察権を行使するが、その行使について上級検察官の指揮監督に服する。検察官には、一定の法曹資格が要求される(検察庁法18条、19条)。

検察庁 検察官の行う事務を統括する官公庁(検察庁法(昭和22年4月16日法律第61号)第1条第1項)。法務省の所管に属する。最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁があり、それぞれ順に、最高裁判所高等裁判所地方裁判所簡易裁判所に対応して置かれ、地方検察庁は、家庭裁判所にも対応する(検察庁法第1条第2項、第2条第1項、第2項)。

検査役 現物出資財産の調査等、株式会社の手続きや手続きにおける財産の価格等について調査するために裁判所により選任される臨時の機関。(会社法第33条、第207条、第284条、第306条、第358条等)。

現実の引渡し 民法上の占有権の移転方法のひとつで、占有物を現実に引渡すことによるもの。手渡しの可能な動産を手渡しする、家屋の鍵を手渡しする等。(→占有改定)(→簡易の引渡し)(→指図による占有移転

建設協力金 ビル等建物の一室を賃借する者が、貸主に対して交付する金銭で、当該建物の建設費用等に充てられるもの。建設協力金の性質は、金銭消費貸借とみられており、賃貸借終了時に、貸主は、この金銭の返還義務を負う。建設協力金は、「保証金」等の名目で授受されることもあり、又、「保証金」等の一部が建設協力金の主旨であることもある。(→敷金

源泉所得税 給与・報酬等を支払う源泉徴収義務者が、その支払いに応じて、給与・報酬等から差し引き、国に納付をする所得税。

源泉徴収 源泉徴収義務者が、その支払う給与・報酬等から、その支払いに応じた所得税を天引きすること。

源泉徴収義務者 会社や個人が、給与や報酬を支払う際に、その支払に応じた所得税を天引きし、国に納付する義務を負う、その会社又は個人。

限定承認 相続によって得た財産を範囲内で、被相続人の債務を負担することとして、相続の承認をすること。自己についての相続の開始を知ったときから3ヶ月以内(熟慮期間)に家庭裁判所に申し出ることを要する。又、相続人が数人ある時は、この限定承認は、相続人全員で共同してすることを要し(民法923条)、家庭裁判所は相続人の中から相続財産管理人を選任する。(→相続放棄)(→単純承認

検認 家庭裁判所が遺言書の状態を確認する手続で、その偽造・変造を防止するための証拠保全の手続き。遺言の有効・無効を判断するものではない。公正証書遺言の場合を除き、遺言書の保管者が相続の開始を知った後、又は、遺言書の保管者がない場合に、相続人が遺言書を発見した後は、遅滞なく、家庭裁判所にその検認を請求しなければならない。(民法第1004条第000代1項、2項)。封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない(民法1004条3項)。検認の請求を怠り、又は、検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、5万円以下の過料に処せられる(民法第1005条)が、これらの規定に違反しても、遺言やその執行が無効になるものではない。

減歩(げんぶ) 土地の面積を減らすこと。土地区画整理事業において、公園や道路等の公共施設用地にあてる等のため、各土地の所有者等から、その土地の一部を提供してもらうこと。

元物(げんぶつ) 法律上の果実(収益)生む元となる物。果物を実らせる果樹、賃料を生じる貸家など。

建蔽率(けんぺいりつ) 建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建築基準法(昭和25年5月24日法律第201号)53条参照)。(→容積率

原野 不動産登記規則第99条に規定されるの土地の地目のひとつで、耕作の方法によらないで雑草、かん木類の生育する土地(不動産登記事務取扱手続準則第68条)。

権利質 動産及び不動産以外の財産権を目的物とする質権(民法第362条〜第366条)。権利質には債権を目的とするもの(債権質)があり、この他、所有権を除く不動産物権(地上権、永小作権等)、無体財産権(著作権、特許権、商標権等)等が権利質の目的となり得る。(→動産質)(→不動産質権

権利証(→登記済権利証)

権利能力 権利を有することのできる資格。自然人は出生の時から権利能力を有する(民法3条)。胎児は、原則、権利能力を有しないが、不法行為に基づく損害賠償請求権、相続遺贈に関してはすでに生まれたものとみなされる(民法第721条、第886条、第965条)。法人は、法律、及び、定款等に定める目的の範囲内で、権利能力を有する(民法第43条参照)。

権利能力のない社団(権利能力なき社団) 同窓会、同好会、地縁団体等、法人格がなく、権利義務の主体となることのできない団体。判例は、団体としての組織を備え、多数決の原理が存在し、構成員の変更にかかわらず団体が存続し、組織における代表の方法、総会の運営、財産の管理等、団体としての重要な点が確定しているものは、権利能力のない社団といえるとする。
権利能力のない社団は、不動産登記において、登記の名義人になることができず、信託登記における受益者になることもできない(昭和59年3月2日民三第1131号民事局長回答)。抵当権設定の登記において、債務者として表示することは可能である(昭和31年6月13日民事甲第1317号民事局長回答)。
権利能力のない社団も訴訟においては、当事者能力を有する(民事訴訟法29条参照)。
これらの団体は、現在、中間法人法、特定非営利活動促進法(NPO法)等により、法人化が可能となっており、又、地縁による団体は、市町村長の認可を受けることにより、法人格を取得することができる(地方自治法260条の2)。

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